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日本語中・上級読み物2

「吉田家の問題」

  三友電気の社員の吉田洋治氏は現在45才、妻の陽子さん、16才の長女のまどかさん、14才の長男の公一さんの四人家族だ。以前は典型的な会社人間 だった吉田氏は一週間の労働時間が約80時間でほとんど家にいなかった。しかし、バブル経済が崩壊した後不況の波が三友電気にも押し寄せ、吉田氏も去年か ら残業がなくなり、5時の終業と共に退社し、6時半には家に戻って来るようになった。それで現在二つの大きな問題がある。一つは収入、もう一つは生活の変 化である。

  吉田氏の給料はまあまあだったが、今までは毎晩残業をして残業手当をたくさん稼いでいたので、去年約1千万円の年収があった。ところが、去年から会社 が経営の合理化のために不必要な残業を禁止したので、残業手当がほとんどもらえなくなり、今年は年収が20パーセントも減ってしまった。妻の陽子さんは専 業主婦で収入は全くない。何とか生活費を節約して家計が赤字にならないようにしてきたが、先月はとうとう赤字になってしまった。

  もっと深刻なのは生活の変化である。吉田氏は今まで早朝出勤し深夜遅く帰る毎日で、週末も接待ゴルフなどでほとんど家にいなかった。家にいる時間が極 端に少ないために一週間子供達と全く話をしない週も度々あった。しかし、去年から残業が出来なくなり夕方帰宅するようになり、週末も家にいることが多く なった。当然家族と話をする時間が増えたが、今までゆっくり話をしたことがなかったので、何について話をすればいいか、どのように話をすればいいか分から ずに会話が不自然に途切れることもある。また、今まで家では食事をして寝るだけの生活を送って来たので、自分の好きなことをする時間も精神的余裕も全くな かった。家事も今まですべて奥さんがやってくれたので、吉田氏は全く出来ない。だから、家の中で何をすればいいか分からずに困っている。この頃は休みの日 に家にいても何となく落ち着かないので、130円の切符を買い昼間ずっと電車に乗って新聞や雑誌を読むこともある。

  陽子さんも、吉田氏が家にいるようになってから以前の生活と全然異なるので戸惑っている。前は7時前に吉田氏に朝御飯を食べさせてあげて会社に送り出 せば、後は深夜帰宅するまで自分の好きなことができた。朝家事を済ませ、午後は趣味のテニスやコーラスの練習ができた。週末も好きなテレビ番組を見たり、 子供達と近くの公園を散歩したり自由にいろいろなことができた。ところが、最近は6時半になると吉田氏が帰って来るので、夕食の支度をしなくてはいけな い。酒が好きな吉田氏は晩酌が長いので、その間吉田氏のそばに座っていなくてはいけない。週末も朝、昼、晩と三回きちんとした食事を作らなくてはいけない し、吉田氏がテレビの前でゴロゴロしているので、自分の好きな番組が見られないこともよくあるし、勝手に外出もできない。吉田氏の世話が増えただけでな く、自分が自由にできる時間も減ってしまった。

 吉田家は年収が減り、今までの生活と全然違う生活をしなくてはいけないので、今深刻な問題に直面している。

 

 

 「吉田家の問題」を読んで、次の質問に答えなさい。

 1 吉田氏の今年の年収はいくらぐらいですか。

 2 吉田氏の残業がなくなったのはどうしてですか。

 3 吉田氏は通勤に片道どのぐらい時間がかかりますか。

 4 吉田氏の年収が減って、奥さんはどうしていますか。

 5 今の生活で吉田氏はどんな問題がありますか。

  1

  2

  3

 6 陽子さんの今までの生活と現在の生活を比較しなさい。

  今までの生活ー

  現在の生活ー

7 吉田氏の年収が20パーセント減りましたが、吉田夫妻は次の三つのことを考えています。その三つについて良い点と悪い点を説明しなさい。

 A:週末に吉田氏がほかの新しい仕事をする

  良い点:

  悪い点:

 B:奥さんが週日にパートをする

  良い点:

  悪い点:

 C:週末に吉田氏が家にいて、奥さんがパートをする

  良い点:

  悪い点:

 8 今の生活をよくするために吉田氏と奥さんは何をした方がいいと思いますか。

  吉田氏:

  奥さん:

 

 

∪イジケビッチ


 「結婚と仕事」

ジェーン:日本には「見合い結婚」というのがあるそうですが、それはどんな結婚ですか。
山田:結婚には「見合い結婚」というのと「恋愛結婚」というのがあります。「恋愛結婚」というのはアメリカと同じように男性と女性がお互いに好きになって 一緒になる結婚です。一方、「見合い結婚」というのは昔の結婚の方法で、男性と女性の家のことをよく知っている人が二人を会わせて、二人がお互いに好きに なり、家族も結婚してもいいと考えたらする結婚です。 
ジェーン:じゃあ、見合い結婚では全然知らない人とつきあうこともあるんですか。
山田:ええ、そうです。昔は結婚する男性と女性の気持ちより男性の家と女性の家の関係の方が大事だったし、結婚前の男性と女性は人前で大っぴらにつきあう べきではないと考えられていたんです。昔は親や親戚が決めた好きじゃない相手と結婚させられたり、会ったこともない人と結婚しなくてはいけないこともあり ました。
ジェーン:そうですか、今でもそのようなことがあるんですか。
山田:いいえ、今は結婚する人達の気持ちの方が大事だと考えられていますから、そのようなことはありません。見合い結婚の良い点は、結婚する男性と女性の ことを良く知っている人が間に入りますから、大きい間違いが少ないことです。それに、恥ずかしがり屋や忙しくて結婚の相手を探している時間のない人などに 結婚のチャンスを与えることができることです。
ジェーン:私は結婚する相手は自分で見つけたいですね。
山田:以前は「お見合い結婚」が多かったですが、最近は日本でも「恋愛結婚」の方がずっと多いようです。
ジェーン:アメリカでは結婚しても仕事を続ける女性が多いですが、日本ではどうですか。
山田:以前は結婚すると仕事を辞める人が多かったですが、今は結婚しても子供が生まれるまでは仕事を続ける人が多いですねえ。
ジェーン:えっ、子供が生まれたら女性は仕事を辞めるんですか。
山田:「キャリアウーマン」という会社などで大事な仕事をする女性の中には子供が生まれても仕事を続ける人もいますが、たいていは子供が生まれる時に辞め ることが多いようです。
ジェーン:どうしてですか。子供を育てることが大事だからですか。
山田:日本の社会は男性中心の社会です。「男性は仕事、女性は家庭を守る」という考え方が今でも強く残っていて、子供を育てるのは女性の仕事と考えられて いるからでしょう。だから、子供が生まれた後で仕事を続けたくても続けられないんじゃないでしょうか。それから、保育園など子供を預ける施設が十分ではな いことも女性が仕事を続けられない理由の一つでしょうね。
ジェーン:日本の会社では女性が大事な仕事をさせてもらえない、という話を聞きましたが、本当ですか。
山田:昔はそうでした。でも1986年に法律が変わって、女性も男性と同じように仕事ができるようになってから、大事な仕事をする女性が増えて来ました。 それでも、まだまだ少ないですね。女性は結婚した時や子供が生まれた時会社を辞めるから大事な仕事はさせられないという考え方を持った会社がまだ多いと思 います。会社の上の人は殆ど男性ですから、考え方が古いんでしょうね。
ジェーン:私がアルバイトで英語を教えている学校には男性の先生も女性の先生もいますが、今でも女の先生が男の先生にお茶を入れて上げます。電話があった 時答えるのもたいてい女の先生です。

山田:それはちょっと問題ですねえ。自分から進んでお茶を入れたり、電話に答えたりするんだったらいいですが、、、。
ジェーン:それから、学校のオフィスで私の隣に座っている女の先生は私より8つ上で今29才なんですが、よく他の先生に「まだ結婚しないの?」とか「早く 良い人を見つけて結婚したら?」とか言われています。結婚は個人的なことだから他人がいろいろ言うべきではないんじゃないでしょうか。
山田:私もそう思います。それはプライバシーの問題ですね。日本の女性はアメリカの女性と比べると、してはいけないこと、しなくてはいけないことなどがた くさんあって大変ですね。
ジェーン:それはアメリカの女性も同じですよ。アメリカも日本も社会全体の考え方が変わらないとだめですね。

 6行目 つきあう to associate with, 8行目 大っぴらに openly、13行目 それに furthermore、恥ずかしがり屋 shy person、32行目 それでも even so、37行目 自分から進んで voluntarily、41行目 個人的なこと something personal、42行目 プライバシー privacy

「結婚と仕事」を読んで、次の質問に答えなさい。

 1 「見合い結婚」はどんな点で「恋愛結婚」と違いますか。

 2 昔見合い結婚でどんな極端な場合がありましたか。

 3 見合い結婚の長所を簡単に説明しなさい。

  1

  2

 4 「そのようなこと」(1ページ13行目)はどんなことですか。

 5 日本の女性の結婚と仕事についてジェーンが驚いたことはどんなことですか。

 6 「キャリアウーマン」というのはどんな女性ですか。

 7 子供が生まれると女性が仕事を辞めることが多い一番大きな理由は何ですか。

   8 会社の中で女性が大事な仕事をさせてもらえないのはどうしてですか。

 9 ジェーンは今何才ですか。

 10 隣の席の女の先生が他の先生に「まだ結婚しないの?」などと言われることについてジェーンはどう考えていますか。

 11 次の中から正しくないものにXをつけなさい。
1(  ) 女性が男性と同じように仕事ができるようになり、大事な仕事をする女性が多くなってきたのは1986年に法律が変わってからです。
2(  ) ジェーンの話では、アメリカの女性にもしなくてはいけないこと、してはいけないことがたくさんあるそうです。
3(  ) ジェーンのが英語を教えている学校では男性の先生も女性の先生も自分から進んでお茶を入れたり電話に答えたりします。
4(  ) 昔の結婚では結婚する男性と女性の気持ちより男性の家と女性の家の関係の方が大事だと考えられていました。
5(  ) 日本では結婚しても仕事を続ける女性がいますが、たいてい子供が生まれると辞めてしまいます。
6(  ) 日本で子供が生まれる時に女性が仕事を辞めてしまうのは、会社の中で大事な仕事をさせてもらえないからです。
7(  ) 女性は結婚した時や子供が生まれる時に仕事を辞めてしまうから大事な仕事をさせられないと考える男性が会社の上の方に多いです。
8(  ) ジェーンは「恋愛結婚」より「見合い結婚」の方が好きです。
 

「謙譲の美徳」

 日本人は自分の考えを人前ではっきり言わないとか、日本人は何を考えているのか分からない、と言う外国人がよくいます。又、日本人が実際に言葉で言うこ とと本当に考えていることが違うことがよくある、と言う人もいます。

 例えば、お客さんに飲み物や食べ物を勧める時に、どんなにおいしい物を勧める時でも、「何もございませんが、どうぞ」と言ったり、お客さんがいくら立派 なお土産を上げる時でも、「つまらない物ですけど、どうぞ」と言って上げたりします。本当においしい物を上げるんだったら、「これはおいしいですから、ど うぞ召し上がって下さい」、高いお土産を上げるんだったら、「これはとてもいい物です。どうぞ」と言って上げればいい、と外国人が思うかもしれません。し かし、このような言い方は日本の文化を基にした典型的な日本の言い方です。言葉の背後にある日本の文化を勉強すれば、日本人がどうしてこういう言い方をす るのか分かるようになります。

 アメリカでは、自分は他の人と違ってこんな良い点を持っている、自分は色々なことができるんだ、ということを他人に分かりやすく見せようとしますが、日 本ではその反対です。日本では「謙譲の美徳」が尊重されます。「謙譲の美徳」というのは、自分や自分の家族を実際より低く見せることによって相手の地位を 高めて尊敬しよう、という気持ちです。だから、何か物を出す時に「何もございませんが、どうぞ」とか「つまらない物ですけど、どうぞ」とかいう言い方が使 われるんです。これらは慣用表現ですから、深く考えなくてもいいです。日本人は飲み物を出す時やお土産を上げる時に、こういう言い方をするんだなあ、とい うことが分かればいいでしょう。

 他に、アメリカではよく人前で家族のことを褒められると、「ええ、うちの主人は料理や洗濯を手伝ってくれて、とてもいい主人です」とか「うちの子供はピ アノが上手で、よくリサイタルをします。私が何も言わなくてもうちで学校の勉強をよくするし、本当に良い子供です」とか自分の家族のことを褒めることがあ ります。でも、日本では滅多にありません。「おたくの奥さんは料理がお上手ですね」と言われても、御主人は、「そうなんですよ。とても上手で、プロの料理 人のようです」とは言いません。「お子さんはよく勉強ができますね」と言われても、お母さんは、「ありがとうございます。本当に良い子です」とは言いませ ん。普通は謙遜して、「いいえ、まだまだ下手です」とか「もう少し勉強してくれるといいんですが、、、」とか否定的なことを言います。それは、日本には 「謙譲の美徳」というものがあるからです。外国人がこの習慣を知らないで、日本語で自分の家族のことをたくさん褒めると、傲慢な人と思われてしまうかも知 れませんから、気を付けて下さい。

 毎日使われている日本語の中にも謙譲語」と言われる「謙譲」を表す言葉があります。例えば、「明日DCへまいります」というのは「明日DCへ行きます」 の意味で、「来週ゴルフをいたします」は「ゴルフをします」、「うちにおります」は「うちにいます」です。謙譲語は、自分を低くして相手を高めて、尊敬す る言葉です。「いらっしゃいます」「召し上がります」「なさいます」など尊敬語と一緒に毎日の会話の中でよく使われる言葉で日本人がよく使いますから、気 を付けて聞いて下さい。

次の質問に答えなさい。

1 日本人についてどんなことを言う外国人がいますか。

  a.

  b.

  c.

 2 日本人が「何もございませんが、どうぞ」と言うのは、いつですか。

 3 日本で人の家を訪ねてお客さんがお土産を上げる時、何と言いますか。

 4 「何もございませんが、どうぞ」とか「つまらない物ですけど、どうぞ」という言い方は外国でもよく使いますか。

 5 日本人が「つまらない物ですけど、どうぞ」とか言うのはどうしてですか。

 6 「謙譲の美徳」を説明しなさい。

 7 人前で家族を褒められた時のアメリカ人と日本人の答え方の違いを説明しなさい。

 8 次の中から正しくないものにXを付けなさい。

     a. 日本の文化を勉強したらどうして日本人が「つまらない物ですけど、どうぞ」とか「何もございませんが、どうぞ」とか言うのか分かります。

  b. 日本では高い物をお土産として上げる時に、「これはとても良い物ですから、どうぞ」と言って上げればいいです。

  c. アメリカ人は、自分の良い点、特長を他の人に分かりやすく見せようとします。

  d. 日本人も謙譲の美徳を使って自分を高く見せようとします。

  e. アメリカでは誰かから自分の家族を褒められた時、自分の家族のことを褒めても大丈夫です。

  f. 謙譲語は自分を低くすることで相手を高めて尊敬の気持ちを表す言葉です。

 

「言葉とその本当の意味」

 ホストファミリーのお父さんが家に帰って来ると、田中さんはいつもお父さんに"How was your day?"と質問します。お父さんは今日、"Great."と言いました。「じゃあ、今日はいい日だったんだろう」と思いました。しかし、お父さんの説明 では、バスの中で財布を盗まれてしまったり、一緒に仕事をしているジェファーソンさんに会社を辞められてしまったり悪いことばかりあったそうです。田中さ んはよく分からなかったのでお父さんに聞いたら、"Great"と言っても、言い方によって良い意味にも悪い意味にもなるんだそうです。お父さんは、皮肉 の意味を込めて"Great"と言ったんだ、と説明してくれました。

 田中さんは、去年日本に行って同じような経験をしたライアンさんの話を思い出しました。ライアンさんはあんまり日本語が上手じゃありませんが、日本人と 少し日本語で話をすると、いつも「ライアンさんは日本語がお上手ですね」と言われました。ライアンさんはそう言われる度に、まだ下手なのにどうして日本人 は「日本語がお上手ですね」と言うのだろうかと考えましたが、いつも「どうもありがとうございます」と答えました。後で日本語の先生にそのことを質問しま した。先生の話では、日本人は、日本語はとても難しくてなかなか上手になれないと思っているし、日本語を上手に話す外国人にあまり会ったことがないから、 少しでも日本語を話す外国人に会うと「日本語がお上手ですね」と言うのだろう、ある日本人は外国人とあまり話をした経験がなくて慣れていないから、会話の 初めに何を言ったらいいか分からなくて、会話がスムーズに行くように「日本語がお上手ですね」を使うのだろう、とのことでした。

 また、ライアンさんは京都に住んでいた時、いろいろな人と友達になりましたが、よく「暇な時にはうちに遊びに来て下さい」と言われました。ある日、ライ アンさんと同じ趣味を持っていて、とても面白い山田さんという人と話をしましたが、別れる時に山田さんが、「暇な時にうちへどうぞ」と言いました。ライア ンさんは山田さんともっといろいろなことを話したかったので、ある日山田さんを訪ねて行きました。ドアを開けて、ライアンさんがいるのを見て山田さんは びっくりしたそうです。ライアンさんは、山田さんがどうしてびっくりしたのか分からなくて、後で日本人の友達に聞いてみました。そして、京都では、「うち へどうぞ」というのは、本当にうちへ来て下さい、という意味ではなくて、単に儀礼的な挨拶に過ぎない、ということが分かりました。

 田中さんは、英語でも日本語でも同じだなあ、と思いました。

次の質問に答えなさい。

 1 お父さんの一日は本当に良い日でしたか。

 2 日本人はライアンさんの日本語についてどんなことを言いましたか。

 3  先生の説明では、日本人はどうしてよく「日本語がお上手ですね」と言いますか。

  a.

  b.

 4 京都の人がライアンさんに言ったのはどんなことですか。

 5 ライアンさんが山田さんの家を訪ねたのはどうしてですか。

 6 ライアンさんが訪ねて行った時、山田さんがびっくりしたのはどうしてですか。
 

「仕事と余暇」

  日本人は働き過ぎだ、日本は長時間労働によって不当な利益を上げ経済大国になった、住宅、余暇、等生活の質を向上させることに注意を向けずひたすら日 本経済を高い水準に維持することにばかり熱中している、という批判が最近アメリカ人を初め、多くの外国人から出ている。戦後驚異的な経済成長を成し遂げ、 国が豊かになったことは確かである。しかし、実際の国民生活も経済成長と共に健全に成長したであろうか。少し日本人の余暇について考えてみよう。
下記のデータは最近の日本人の余暇に関する意識を調査したものである。
A: 余暇に何をするか
1 外食             6 動物園、植物園、水族館、
2 ドライブ           7 遊園地
3 国内旅行           8 体操(器具を使わないもの)
4 バー、スナック、パブ、飲み屋 9 海水浴
5 トランプ、オセロ、カルタ   10 園芸、庭いじり
B: レジャー活動が出来ない理由
1 平日の自由時間が少ない
2 費用がかかり過ぎる
3 長期休暇がない
4 収入が足りない
5 休日が足りない
レジャー活動が出来ない最大の理由は、「平日の自由時間が少ない」という調査結果が出ている。長い通勤時間や平日残業などで夜遅くまで仕事をすることを 考えると、それも納得出来る。現在年間労働時間が2000時間以上で(アメリカは既に1900時間台)、政府が必死になって1900時間台まで下げようと している。それが実現すれば、平日もっと余暇に費やす時間が増えることであろう。
二番目に大きい理由は、「費用がかかり過ぎる」である。Aのデータを見ても明らかなように、5、8、10を除けばすべて金がかかるものばかりである。家 族でファミリーレストランへ行って食事をすれば、一回で万単位の金が出るだろう。ちょっと長い距離ドライブすれば高いガソリン代を払わなければならない。 高い宿泊費、交通費のため、今では下手をすると、安いパックの海外旅行より国内旅行の方が高いことがある。何をするにも金がかかってしまう。そのため、そ れに関連して4の「収入が足りない」がレジャー活動が出来ない他の理由として登場する。
次に大きな理由は、3「長期休暇がない」、5「休日が少ない」で、つまり、休みが少ないということである。これは個人個人の努力で解決可能な問題ではな い。前述の政府、企業が労働時間を短縮することと密接に関係してくる。この問題を解決するために、先ず初めに、制度的に休みが取りやすくなる必要がある。 企業が休みを取ることを奨励して、人々が気軽に休暇が取れる雰囲気を作らなければならない。それと同時に、彼等が同僚の目を気にせずに休暇が取れるような 環境を作り出さなければならない。従来は、休みを取ること自体何か悪いことをするような雰囲気が職場にあり、自分が休むと同僚に迷惑がかかるのではない か、と考えて、取れる休暇も取らないというケースがしばしば見られた。企業もそこで働く人々も、個人個人が自由に休暇が取れるように努力すべきだ。
この調査結果を見て強く感じるのは、休みを取って生活をエンジョイするということは、どこかへ行って金を使って何かをやることと勘違いしているのでは ないか、ということである。確かに、レストランで家族揃って食事をするのは楽しい。ドライブをして忙しい毎日を忘れ、息抜きをするのもいい。しかし、お金 を使わなくても、叉どこか特別な所へ行かなくても出来ることがたくさんあるはずだ。一人で過ごす時間を大事にしたい人には、ピアノやギターを弾いたり、読 書を楽しんだり、自分の趣味を思う存分楽しんだり出来る。家族と一緒に行動したい場合には、友達と集まって賑やかに話をしたり、近くの山をハイキングした り、家でお父さんの手作り料理を味わったり、様々なことが可能である。
最後に、この調査を見て、一つ気にかかるのは、人生において仕事の占める位置があまりにも大き過ぎるのではないか、という点である。日本人は何のため に休みを取るのか。仕事から解放されて、束の間の自由を楽しむ。多くの日本人にとって、日常生活で仕事が主で、仕事のことが生活の大半を占め、休暇はその 仕事が順調に行くようにするオアシスのようなものでしかないのではないだろうか。休暇が、仕事をしばらく忘れ、一時的な陶酔に浸る束の間の瞬間に過ぎな い、としたら、惨めだ。アメリカ人を観察すると、実によく生活をエンジョイしているように見える。仕事はあくまで生活の糧を求める手段に過ぎず、終業時間 が来れば、直ちに帰宅して、家族との団欒を楽しむ。週末接待ゴルフなどというのは例外で、仕事を一切忘れ、人生を楽しむ。人生の中で仕事の占める割合は、 日本人と比較したら、何分の一かであろう。仕事は自分達を養うための一つの手段、人生を楽しむために仕事をする、と日本人が割り切って考えることが出来る ようになってはじめて、より効果的な休暇の使い方が出来るようになるのではないだろうか。

次の質問に答えなさい。
1 日本人がもっと多く休みを取るために、日本人個人と日本企業はどんなことをしなければなりませんか。
日本人個人-

  日本企業-

2 日本人の余暇に金がかかることについて、筆者はどう考えていますか。また、あなた自身は、日本人の余暇に金がかかることについてどう考えますか。
筆者の考え-

 あなたの考え-

3 筆者は、日本人が休暇をどのように考えている、と思っていますか。また、あなたは、日本人が休暇をどのように考えていると思いますか。
筆者の考えー

 あなたの考え-

4 日本人がもっと有効に休暇を使うためにどうすればいい、と筆者は考えていますか。また、あなた自身はどう考えますか。
筆者の考え-

  あなたの考え-

5  次の言葉、表現を他の簡単な言葉で言い換えなさい。
a. 残業-
b. 宿泊費-
c. 労働時間を短縮する-
d. 従来は-
e. 勘違いする-
f. 手作り料理-
g. 仕事が主だ-
h. 終業時間-
i. 直ちに-
 

 「仕事中心主義の弊害と生きがい」

 日本の経済が順調に伸びていた数年前まで日本のサラリーマンは日夜会社のために仕事に明け暮れ、家庭のことを全く顧みなかった。仕事一途に励み、ほとん ど家にいないために子供が父親の顔を忘れてしまった、などという冗談のような話まである。1990年ごろ「帰宅拒否症候群」という言葉が世間で使われた。 これは、会社人間が家に帰りたくなくなる現象を言う。夜遅くまで残業や接待をし家に帰るのが11時、12時、早朝出勤のため朝6時半、7時には家を出なけ ればならないので、最寄りのビジネスホテルにでも泊まった方が時間の節約にもなるし、ストレス解消にもなる。また、わずか6、7時間の在宅時間中に子供の 教育や家事について妻と話をするが、疲れていてそれが苦痛になり、家にいることがストレスになってしまう。そのため、家に帰りたくないと考えるのだ。ひど い場合には、帰宅しようとすると頭痛がしたり、吐き気を催したり病気の症状が出てくる。

 同じころ、「亭主元気で留守がいい」という言葉がテレビのコマーシャルではやった。夫に元気でいてもらって仕事をしてたくさん金を稼いでほしいが、家に いると世話が大変だから家にいない方がいい、という意味である。妻の偽らざる気持ちを代弁しているので流行語になったのであろう。しかし、随分夫を馬鹿に した言葉ではないだろうか。
夫が家に帰りたくないと思うこと、妻が夫にできるだけ家にいてもらいたくないと思うこと、からこのような言葉が流行したのであろうが、これは日本人の仕 事中心主義、家庭を軽視する傾向と密接に関係がある。第二次大戦後所得倍増計画などを通して日本の経済を立て直すことが最も重要と考えられ、昭和30、 40年代の高度成長期には、夫が仕事に没頭し家庭を顧みない、妻が家事全般を担当するのが当然になり、それが数年前まで続いた。夫にとって家庭は疲れた肉 体を休めるための「休息の場」でしかなかった。家族と一緒にいられる時間を増やし、大切にするなどということはほとんど考えられなかった。また、妻にとっ て夫が不在なのが当り前になり、夫の留守の間家庭を守るのが自分の役目だと思うようになった。アメリカ人の基準から言えば、父親/夫のいない家庭などナン センスで即離婚の対象になるであろうが、日本では父親/夫が家にいないことが当然であるかのように考えられた。
ところが、1980年代後半バブル経済が崩壊し不況の時代に入ると、各企業は経費節約のために残業の廃止、交際費の削減などを次々に打ち出した。そのた め、夜遅く帰宅したり、休日出勤や接待ゴルフで週末も家にいなかったりしたサラリーマンがするべき仕事の量が減ったため必然的に帰宅時間が早くなり、週末 も家にいて家族と過ごす時間が多くなって来た。父親/夫が本来いるべき家庭に戻って来たわけだ。それは、子供と一緒に遊んだり、妻と一緒になって子供の教 育のことを考えたり、読書、スポーツなど自分の趣味を楽しんだりすることができることを意味する。これは歓迎すべきことであり、若い世代の人達は家族が一 緒に過ごせる時間が増えたことを喜び、家族単位でいろいろな活動を楽しみ始めるようになった。
しかし、四十代、五十代の世代になると事情が異なる。特に、妻の立場から見ると、夫の在宅時間が増えたことが苦痛になることがある。今までは仕事のために 家にいることがほとんどなかったので、夫の世話は家にいる短い時間の間だけしてあげればよかったが、それが突然大幅に増えた。従って、今までの家事、子供 の教育に加えて、新たに夫の面倒まで見なくてはいけなくなったわけだ。夫に家にいられると邪魔で仕方がない、夫に家でゴロゴロされると生活のリズムが狂っ てしまう、夫は家事が全くできないので手伝ってもらえない、自分では何も家事を手伝わないのにいろいろ文句を言う、などの理由で、ここ2、3年夫が家にい ると妻がストレスがたまって病気になるという現象が起こり、それを「主人在宅拒否症候群」という。このような現象が起きるのは夫と妻の両方に責任があると 考えられる。
責任の多くの部分は夫の側にある。先ず、一般的に夫には家事は妻がするものという固定観念があり、長年家庭を顧みなかった。仕事が忙しいことをいいこと に家事、子育て/子供の教育ばかりではなく家の中のことは一切妻にやらせてきた。そのため、在宅時間が増えても家の中でできることが限られる。料理は当然 妻がするものと考えてきたから、自分で作れない。洗濯などしたことがないから、全自動の洗濯機を使えば簡単に洗濯ができることも知らない。掃除機で部屋の 中を掃除しようにも、掃除機の先端が畳用とカーペット用に分かれていることも分からずオロオロする。
また、今までは家にいることがほとんどなかったので、子供達とゆっくり話をしたことがない。子供がどんなことに興味を持っていて、今学校でどんなことを しているのか皆目分からない。それに、今まで子供と面と向かって話をする機会がなかったので、どのように会話を進めていいか分からない。妻との場合も同様 である。深夜帰宅後短い時間にどうしても必要なことだけ話をする習慣がすっかり身に付いてしまったので、時間をかけてじっくり一つのことを妻と相談すると いうことに慣れていない。子供や妻とどうコミュニケーションをすればいいか分からず頭を悩ませる。
しかも、仕事中心の生活を長年続けてきたため、仕事が行きがいになってしまって自分の趣味などを追い求めることもなかった。在宅時間が増えて家で何かし ようと思っても、何をしていいか分からない。家事もできない、子供や妻とどう会話をしていいか分からない、自分のしたいことも仕事以外にはない、となる と、家の中で一体何ができるだろうか。テレビの前でゴロゴロするか、妻がしていることに文句を言うぐらいしかない。
そんな夫が始終家にいたら、妻はどうなるであろうか。家事、子育て/子供の教育に加えて新たに夫の世話が加わることになるし、夫に家事を手伝ってもらう ことにしたら家事のやり方を一から教えなくてはいけない。精神的にも肉体的にも負担が増えるだろう。しかし、これは今まで家事を全部やってきた妻にも責任 がある。どうせ夫は家事ができないだろうからやってもらわない、やってもらっても時間ばかりかかるから自分でやる、子供の教育のことを話しても分からない だろうから話さない、というような態度を取っていないだろうか。確かに、夫は仕事で忙しく疲れて家に帰って来るだろう。できたら休みの時はゆっくりさせて やりたい、と思うのは当然かもしれない。が、これは夫は外で家族を養うために働き、妻は家庭内のことを取り仕切るという古い家族観に囚われているからであ り、父親と母親が協力して家を運営するという本来あるべき家族観から考えると、夫の教育をないがしろにして夫を甘やかしてきたことを意味する。夫は仕事で 疲れて家に帰って来るが、だからと言ってそれが家事を全くしなくてもいいということにはならない。勿論疲れた体は休めてもらうが、同時に家族が共同生活を 送る上で家事はお互いになすべき最低条件であることを理解してもらい、少々時間がかかっても根気良く家事のやり方を説明し、夫の負担にならない程度に家事 をやってもらって気分転換をしてもらう、という発想を持つ必要があるのではなかろうか。本来は新婚当初からこのような態度で接すべきで、何十年も結婚生活 を送った夫婦の場合困難かもしれない。しかし、そこは夫の操縦法次第である。誰でも褒められて悪い気はしないから、夫をうまくおだててどんどん家事をやっ てもらい、上手に褒めて積極的に家事をするように仕向ける、というような態度が妻の方に必要である。
この問題は自分は何のために生きているのだろうかという問題、つまり「生きがい」とも密接に関連している。仕事が生きがいだという夫は、将来定年になっ た時に生きがいを失うであろう。家事、子供の教育/子育てに忙殺された妻は、中年になり子供が独立した時に一体自分の人生は何だったんだろうかと悩むであ ろう。仕事もバリバリし、充実した家庭生活を送り、自分の趣味も追求できるような人生が送れるようにするにはどうすればいいか、若いうちから考えることが 重要であると思われる。
結局未だに夫と妻両方の心に存在する「家族を養うために働くのは夫、内助の功に徹するのが妻」、「男は甲斐性、女は愛矯」という固定観念を打ち破り、仕 事中心の生活観を変えない限り、以上に述べたような問題は将来もなかなか解決されないのではなかろうか。
 

「出る杭は伸ばそう」

 「出る杭は打たれる」-これは昔から日本にある諺で、辞書には「目立つものはとかく他に押さえられる」と書いてある。この諺ほど日本人の特質を如実に物 語っているものはない。個々人より集団の和が重要視され、集団からはみ出す個人は容赦なく叩かれる。その典型的な例が帰国子女である。

   帰国子女は、日本企業の海外進出と共に増加した。彼等は、自分の意志とは関係なく、親の都合で外国生活を余儀なくされる。アメリカ、イギリス、ドイツな ど先進国に行った子供は、大概その国の学校に入り、現地の言葉を学びながら週末に日本語学校へ行って日本語を勉強する。発展途上国に行った子供は、日本と 比較してその国の教育水準が低いため、アメリカンスクールや幸運な場合は全日制の日本語学校へ行く。しかし、その国の言語を学ぶというのは極めて稀であ る。いずれの場合も、日本語を聞いたり話したりする機会は非常に限られるため、日本の子供と比較して当然日本語の能力が低くなってしまう。それと共に、国 語、日本の歴史、地理など大学受験に必要な知識も不足してしまう。

   また、外国の教育を受けるため、性格的にも日本の子供とかなり違ってしまう。日本では、皆と同じように考えたり行動したりするのが良いと教育されるが、 外国、特に欧米では、他人と異なる自分独自の何かを大事に育てるべきだ、何かをする場合他人と違う自分にしか出来ないことをやれ、というように個人中心の 教育を受ける。そのため、自分の意見、考えをはっきり分かりやすく主張するのが上手になって帰国する。

   帰国子女が日本に戻って来て、学校に入る。当然英語などの外国語が堪能で、日本人の子供にはない何か特別な才能、技術を持っている場合が多い。以前なら 何か特長を持っていると尊敬されたものであるが、最近はその特長さえ「いじめ」の対象になってしまう。英語の発音がきれいで生意気だ、ピアノが上手でお高 くとまっている、など自分達と違っていることを理由に集団で帰国子女をいじめる。帰国子女は、仲間に入れてもらいたいので、他の子供と違う点は直して出来 るだけ皆と同じようになろうと努力する。そのため、せっかく外国で身に付けたものを捨ててしまう。正確に自己主張する能力、流暢な外国語、物事を論理的に 分析する能力、などすばらしい長所すらなくしてしまうことも度々ある。

 教師の態度も帰国子女が海外で身に付けた素晴らしい能力を捨てる一因となっている。帰国子女は、長い外国生活を経験して、再び日本の学校生活に戻り安心 する半面、他の子供達と一緒にうまくやっていけるかという不安が大きいに違いない。本来教育者のあるべき姿から考えると、教師は帰国子女が新しい環境にス ムーズに順応出来るように協力して、彼らの長所を認め、それを積極的に伸ばそうと努力すべきである。しかし、現実には個人的に彼らの面倒を見る時間も暇も ない。また、彼らの長所が受験勉強に関係のないものである場合には、全く無視するような傾向がある。早く他の子供達と同じようになることにのみ注意を払 い、彼らの長所を伸ばすことなど眼中にないようである。

 以上のような理由で帰国子女が海外で習得して来た貴重な財産が生かせない、ある場合にはその貴重な財産のために帰国子女がいじめの対象になるというの は、日本の将来にとって深刻な問題である。日本は「経済大国」になった今世界のリーダーの一員として国際社会のために貢献すべきだ、日本は島国根性を捨て て国際化を進めるべきだ、という国民の声が新聞を賑わしている。帰国子女は長い海外生活を通して鋭い国際感覚を身に付けて帰国する。それを有効に利用する ことが出来れば、日本が国際社会で活躍する際有力な武器になる。二十一世紀の日本を考える時、「出る杭」を打って、素晴らしい能力、長所を破壊し、その他 大勢と同じ人間を作るような教育よりも、「出る杭」をどんどん伸ばし、活用するような教育をする方がいいのではないだろうか。

次の質問に答えなさい。

 1 「その典型的な例」(3行目)はどんな例ですか。

 2 海外に居住する日本人の子供の日本語の能力が低下するのはどうしてですか。

 3 「その特長」(19行目)はどんな特長ですか。

 4 「それ」(28行目)は何ですか。

 5 教師の問題について簡単に自分の言葉で説明しなさい。

 6 「島国根性」というのは何ですか。例を上げながら説明しなさい。

 7 帰国子女の特長、長所を最大限に生かすためにはどうすればいいですか。あなたの考えを簡単に書きなさい。

 8 日本の教育と欧米の教育の違いを簡単に説明しなさい。


 


 

 

 

 


 


 






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日本語中・上級読み物

「日本に帰るべきか、アメリカにいるべきか?」

 田中さんは今ワシントンDCの日本の銀行で仕事をしています。東京で仕事をしていましたが、3年前に銀行からワシントンDCに行って仕事をしてくれと言 われ、家族と一緒にアメリカに来ました。お子さんは太郎君という16才の息子さんとしずかさんという14才の娘さんがいます。二人共アメリカに来たばかり のころは英語が分からなくて大変でしたが、今はもうすっかり上手になりました。奥さんも初めは学校に行って英語を勉強しましたが、今では日常会話は大体大 丈夫です。

 田中さんは東京にいた時と同じように朝早くから夜遅くまで仕事をします。東京とワシントンは14時間時差があるので、朝9時に東京のオフィスが仕事が始 まる時ワシントンは夜7時です。いつも日本から午後7時過ぎにファックスがたくさん入るので、その返事を出してから家に帰ります。いつも9時ごろ帰宅しま す。しかし、週末は家族と一緒に散歩をしたり、テニスをしたり、コンサートに行ったり、いろいろなことができます。日本にいた時は週末によく接待ゴルフを して家にいなかったことが多かったですが、ワシントンではいつも家族と一緒に遊べます。

 先週東京のオフィスから4月に東京のオフィスで仕事をしてくれという命令が来ました。早速田中さんは家族にそのことを伝えました。田中さんの話を聞い て、奥さんはすぐ「そうですか。はい、分かりました」と言いましたが、太郎君としずかさんは「東京に帰りたくない、アメリカで生活したい」と言いました。

 太郎君は、アメリカでは日本と違って入学試験のための勉強をしなくてもいいし、サッカー、トランペット、コーラスなど自分の好きなことができるからアメ リカに残りたいと言っています。しずかさんも、アメリカにいれば週末に家族みんなで様々なことができる上に、たくさん新しい友達ができて友達と別れたくな いので日本に帰りたくないと言っています。奥さんも、太郎君としずかさんの話を聞いて、「私もできたらアメリカに残りたいわ」と言い始めました。

 家族みんなが日本に帰るのを喜ぶだろうと思った田中さんは困ってしまいました。アメリカに来てから家族と一緒にいろいろなことをするのが好きになったの で、日本に帰っても週末にはできるだけ多く家族みんなといる時間を作ろうと考えていましたが、みんなはアメリカに残りたいと言うのです。田中さんができる のは:

 1 子供二人でアメリカで生活できないので、奥さんもアメリカに残って田中さんだけ日本に帰る

 2 家族が何と言っても、みんなで日本に帰る

 3 銀行にもっと長くアメリカで働かせてくれと頼む

 4 銀行をやめて新しい仕事を見つけてみんなでアメリカで暮らす、の4つのうちの1つです。

 田中さんはどうすればいいか分からなくて困っています。

次の質問に答えなさい。

 1 田中さんの家族は何年ワシントンDCに住んでいますか。

 2 田中さんの家族がワシントンDCに来たのはどうしてですか。

 3 日曜日の朝8時に田中さんは東京にいるお母さんに電話をしようと思いました。東京は何曜日の何時でしょうか。

 4 田中さんが夜9時ごろに帰宅するのはどうしてですか。

 5 田中さんは東京でもワシントンでもよく家族と一緒に遊びますか。

 6 先週の東京のオフィスからの命令はどんな命令ですか。

 7 太郎君としずかさんがアメリカにいたい理由を簡単に書きなさい。

  太郎君

   1

   2

       しずかさん

   1

   2

 8 あなたが田中さんだったら、どうしますか。簡単に説明しなさい。

 

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日本を語る

日本を語る
1.第1課  日本列島と風土・気候「http://www.placard2.com/pageopen.cgi?%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%82%92%E8%AA%9E%E3%82%8B/%E7%AC%AC%EF%BC%91%E8%AA%B2%E3%80%80%E6%97%A5%E6%9C%AC%E5%88%97%E5%B3%B6%E3%81%A8%E9%A2%A8%E5%9C%9F%E3%83%BB%E6%B0%97%E5%80%99」

今の日本は四方を海に囲まれた島国ですが、1万年前の日本はユーラシア大陸とつながっていました。コン ピューター処理された日本列島周辺の地形図(→9P)を見るとわかるように、白い部分は現在では浅い海なのですが、かつてはこの部分が大陸と地続きで、今 の日本海(韓国名:東海)は大きな湖のようなものでした。それが今から約5000~6000年前、地球が温暖化し始めると、それに伴って海水面が上昇し、 日本は大陸から分離して現在の形になったのです。

さて、現在の日本列島は北海道、本州、四国、九州と、6800を越す小さな島々から成ります。国土面積は37万7873?(平方キロメートル)で、台湾 の面積の約10倍、中国の雲南省より少し小さいぐらいです。しかし、日本という国は、最北端に択捉島、最東端に南鳥島、最南端に沖ノ鳥島、最西端に与那国 島と広く点在していますから、沿岸から12海里とされる領海や、200海里とされる排他的経済水域を加えると、約447万平方キロメートルとなり、その広 さは世界第6位と意外に広いのです。

気候についてみると、日本は南北に約3000?あり、北の端が中国黒龍江省のハルピンとほぼ同じ緯度で、南の端が海南島の北岸と同じ緯度ですから、気候 の地域差はかなりあります。例えば、流氷が接岸する北海道の根室の年平均気温(1961~90年)は5.9°Cですが、亜熱帯に属する沖縄の那覇では 22.4°Cです。桜の開花も那覇では2月中旬ですが、北海道の札幌では5月上旬であり、3ヶ月近いずれがあります。

また、日本は四季の変化が明瞭ですが、太平洋側と日本海側では気候に大きな違いがあるのが特徴です。それは夏は太平洋から南東季節風が吹き、冬は大陸か ら北西季節風が吹くからですが、日本列島は山脈が縦断しているので、季節風が吹きつける側は雨や雪が多くなり、山を越えると乾燥します。そのため、日本の 気候は梅雨から夏にかけて雨が多くなる太平洋岸式気候と、冬に雪や雨が多くなる日本海岸式気候と、大きくは二つに分けることができます。夏の初めの梅雨 は、しばしば日本に集中豪雨をもたらし、夏から秋にかけては、毎年のように台風が襲います。そのうちで日本列島に大きな災害をもたらすものは、9月の中・ 下旬に来襲する傾向がありますが、1959年の伊勢湾台風(死者・行方不明者5098人)以来、1000人を越す死者・行方不明を出す風水害は起きていま せん。

その他、日本列島は環太平洋地震帯にあるため、地殻変動、断層活動、火山活動も活溌で、日本は地震多発国としても有名です。日本史上最大の被害をもたら した地震は1923年9月の関東大震災で、マグニチュード7.9、東京・横浜では震度7を記録、大火災の発生もあって、死者・行方不明者14万2800余 人を出しました。1995年1月にも、マグニチュード7.3、震度7の直下型地震が阪神地区を襲い(=阪神・淡路大震災)、6433人の死者・行方不明者 と推定10兆円の被害をもたらしました。

そのため、日本では昔から人々が恐れるものを列挙して、「地震・雷・火事・親父」と呼んできたのですが、その一方では、古来、海の幸、山の幸に恵まれ、 みずみずしい稲の穂が実るので、「瑞穂の国」と呼ばれたほど、自然環境の豊かな国でした。現在も日本の国土の約70%(パーセント)を占める山地は森林で 覆われており、世界でもトップクラスの森林保有国なのです。


新しい文型
~に伴う/~に伴って
~からなる
~について
~から~にかけて
~として
~ほど

2.
第3課 日本国家の誕生と天皇

日本には表のような国民の祝日がありますが、この中で一番わかりにくいのは建国記念日でしょう。

日本最古の歴史書「古事記」「日本書紀」に、紀元前660年に初代の天皇(神武天皇)が即位したと書いてあり、その日が今の暦で2月11日に当たるの で、建国記念日となりました。しかし、これは神話世界の話であり、科学的な根拠があるわけではありません。

この神武天皇には東征神話があり、それによると、45歳のとき、船軍を率いて日向(=宮崎県)を出発し、瀬戸内海を東へ進み、難波(=大阪)に上陸して 大和に向かったが、土地の豪族の軍に妨げられ、紀伊半島を迂回して熊野から大和に入り、土豪たちを征服し、大和平定に成功したとあります。もしこれが正し いとすれば、4世紀半ばに成立したという大和政権は、畿内豪族が連合して築いたという通説と異なり、九州地方にいた王族によって作られた征服王朝というこ とになります。まあ、どちらが正しいかはともかく、4世紀に統一国家大和が成立し、飛鳥・奈良・平安時代と天皇・公家の政治が続きます。以後、1185年 に鎌倉幕府が樹立され、政治の実権が朝廷・公家から武家の手に移り、武家政治が室町幕府、織田・豊臣政権、江戸幕府265年間と約7世紀続きます。この武 家政治に終止符を打ったのが、1867年の明治維新です。

さて、今の平成天皇明仁は125代目で、なんとこの皇室は1500年以上続いていることになりますが、世界でこんなに長く生き延びた王族はありません。 それが可能だったのは、おそらく天皇が直接政治に携わらなかったからでしょう。天皇が実際に国の権力を握って政治を行ったのは7世紀からの2世紀ぐらい で、明治維新後は大日本帝国の元首とされた天皇でしたが、神格化され、祭り上げられた存在で、政治の実権は藩閥官僚や軍部が握っていました。事実、明治・ 大正・昭和を通して、天皇が政府や帝国議会の政策決定に口を挟んだことはなく、天皇が下した唯一の裁断は、昭和天皇のポツダム宣言の受託だったと言われて います。

ところで、「日本」という国号ですが、いつから使われるようになったのでしょうか。もともと日本の国は「やまと」と言いました。それが大化の改新のころ から、東方の「日の本」(日の昇るところ)という意味から「日本」と書いて「やまと」と読むようになったのです。それをニホン・ニッポンと音読するように なったのは、奈良時代(710~784)以降だと言われています。

では、「日の丸」(国旗)、「君が代」(国歌)はどうでしょうか。「日の丸」は古くから武家の家紋や南蛮貿易の船籍を示すものとして使われていました が、公式には江戸幕府が幕末期に日本総船印として使うことに決めたのが最初です。続いて明治政府も太政官布告で郵船・商船に「日の丸」を掲げることを定め ましたが、一般的にはこの時が「日の丸」が国旗になった日とされています。「君が代」については、それが初めて演奏されたのは、1880年、明治天皇の誕 生日の場です。以後、事実上の国歌として扱われるようになりました。このように「日の丸」も「君が代」も天皇制国家の成立と不可分なものでしたから、戦後 はその是非をめぐって、学校教育の現場などで激しい議論が闘わされてきました。1999年の「国旗・国歌法」で法律的には国旗・国歌とされたのですが、今 も「日の丸」「君が代」の強制に反対する意見は根強くあります。




新しい文型
~わけではない
~によると
~とすれば
~によって~れる
~と言われている
~をめぐって


4.


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2. http://books.google.co.in/books?id=evUjn_ScQqQC&printsec=frontcover&dq=%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9&sig=O4DMNXaLxvf2Ed33RTcyKeTHBuM#v=onepage&q=%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9&f=false

 

 

Business Japanese Information

 

Email Formats:

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Business manners

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http://manner.fideli.com/

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Business Denwa

http://jp.hjenglish.com/page/10474/

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Tenshoku Manyuaru

** http://www.1049manual.com/success/qa.html

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ビジネスドキュメンテーションの概要

http://someya1.hp.infoseek.co.jp/chap-1/chap-1%281%29.html#1.4.1

 

Fujitsu Technical Support Center

https://www.fmworld.net/cs/azbyclub/qanavi/jsp/qacontents.jsp?rid=3&PID=3407-2966#case1

 

会社理念

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Japanese Reading Material

 

 

Japanese Choukai練習

 

http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/seian/koreisagi/hurikome_onsei/hurikomesagi.htm

 http://www.voiceblog.jp

オンラインTranslation TOOLS

http://world.altavista.com/tr

http://www.excite.co.jp/world/english/?before=&wb_lp=JAEN

http://www.freetranslation.com/

http://www.google.com/language_tools?hl=en

http://www.ocn.ne.jp/translation/

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http://www.so-net.ne.jp/translation/

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http://www.voiceblog.jp/muteking/ (Mutekingu no Ongenshu)

 

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